サポートギタリスト前野直也

DAWで制作した曲のクオリティを上げたい作曲家・クリエイターの方に、僕がギターの録音でお手伝いする様子をご紹介するブログです。ギターを宅録してみたい方もプロセスを知る事ができるブログです!ご覧頂きありがとうございます!

「ギターレコーディングの実践その7」ご期待以上の物を提案します!

こんにちは!
あなただけのサポートギタリスト前野直也です!
 
この記事を書いている2016年8月22日は17年ぶりに関東に台風が上陸しています。
電車もあちこちで止まっているようです。皆さんは大丈夫ですか?被害がないことを祈ります。
 

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さて、前々回でご依頼者様から頂いたリファレンス曲を元にご要望のトラックを入れ終えました。そして前回は入れ終えたトラックを仮mixして「聴き返す」というお話でした。




さて、「1リスナーになったつもりで聴き返して」感じた事がありました。
 
それは・・・
 
「間奏が寂しい」
 
2番の後に長めの間奏があるのですが、現状だとそこが何か物足りないと感じました。
 
勿論、ご依頼者様の方で何か入れるのであれば良いのですが、リファレンス曲もギターポップという雰囲気ですし、ギターで何か入っているのも悪くない気がする…と考えながら訊き返しているているうちに何となくイメージが降ってきたので、
 
僕からのご提案という形で入れてみよう!
 
という事に決めました!
 
といっても間奏の前半はサビが終わってぐっと静かになる部分です。後半も最後のサビに向けて盛り上がっているとはいえ、弾きまくり‼みたいなソロでは世界観が壊れます。
 
そこで前半はアコースティックギターで、あまり激しく動きすぎないフレーズを入れました。
そこから後半はエレキギターのソロが入って盛り上げる事にしました。

もちろん弾きまくりではなく、曲調に合わせてハーモナイズドチョーキング等を使ってポップなソロを意識して録音しました。ソロの終盤も次の歌のセクションへの橋渡しが自然になるように考えて弾きました。
 
新しく録音したギターソロも加えて改めて仮mixした物を聞き返してみたところ、
今度はいい感じ!
これ以上入れるとゴチャゴチャしてしまうと感じました。

入れ始めるとキリがなくなってしまうことがありますので、客観的に聴き返してみて
「これ以上はいらないかも」と思ったらやめる判断も必要です。
そうしないといつまでたっても納品できなくなってしまいます。

ご依頼者様の作品ですので、最終的な善し悪しを判断するのはあくまでもご依頼者様です。
なので「これ以上やったら入れすぎかな」と迷って時間が経ってしまうようなら、
一刻も早く納品してご依頼者様に聴いていただいた方がご依頼者様の時間を奪うこともないです。

「それでご依頼者様が納得いかなかったらどうするの?」とお思いの方ご安心ください。そのお話は次回でご説明します!

ということで「自分で良いと思える状態まで来た。まずは納品してご依頼者様に聴いて頂こう」と判断し、これで完成とします。

レコーディングの様子のご紹介は今回で終了です。

次回はこのシリーズ最終回、
録音終了後の
お話です。
納品してお客様の反応をお聞きします!


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「ギターレコーディングの実践その6」他にできることはないか考えます!

こんにちは!
あなただけのサポートギタリスト前野直也です!

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ここまで実際にご依頼頂いた曲を題材に、僕のサポートギタリストとしての仕事の仕方をご紹介してきました。前回でご依頼者様からご要望頂いたパートは録音し終わりました。

 

後は納品して終了…と言いたいところですが、ここでもう一つやる事があります!

 

何をするのかと言うと、お預かりしたトラックと録音した各パートを仮でミックスしてみて聴き返してみます!

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そんなことか!とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、ただ聴きかえす訳じゃないですよ(笑)
1リスナーになったつもりで聴き返してみて、「ここにこんなギターが入っていたらカッコいいなぁ」と感じるところがあったら、追加して録音します。

 

何故こんな事をするかと言うと、
僕がサポートする目的が「時にクリエイターさんと同じ目線で、時に違う角度からアイデアを提供する事で参加させて頂いた楽曲のクオリティアップに貢献する。」事だからです。

 

僕が納品してからご依頼者様が確認して、「こんなパートも欲しいな」と思って僕にご連絡頂いて、それを録音して納品するには、いかに「ネットで完結」と言えどもそれなりに時間がかかります。

 

それに対して、まとめて納品したトラックを「このパートは要らないな」という場合はご依頼者様の方で入れなければ良いだけなので時間はかかりませんよね。

 

なのでご依頼者様の時間を有効に使っていただけるよう、自分で聴き返してすぐ思いつくパートであれば最初の納品の段階でお入れしています。

 

もちろん納品後にご確認いただいて、追加したいパートや直して欲しいパートがありましたら追加、修正しますのでお気軽にお知らせ下さいね!

 

さて、次回は1リスナーになったつもりで仮mixした音源を聴き返してみた後の話です!

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「ギターレコーディングの実践その5」アルペジオを録音します!

こんにちは!あなただけのサポートギタリスト前野直也です!

 

前回までで、アコースティックギター、サビのエレキギターが入り、大分完成形が見えてきました。

 

しかしリファレンス曲の世界観のカギを握るのはエレキのアルペジオパートです。そしてご依頼の曲のカギを握るのもアルペジオパートです!

 

今回はいよいよそのアルペジオパートを録っていきます!

 

ギターはリファレンス曲のアーティストさんがレスポールをメインにしてらしたのでレスポールを使います。

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気分の問題かもしれませんが(笑)あまりハイファイなギターよりは昔ながらのギターの音の方がイメージにも合ったので。

 

音は前回のパートと同様にLine6のPODHD500Xを使いました。今回はクリーンのようだけど強く弾くと若干歪んでるかな?というくらいの音を作りました。

 

まずは大体のフレーズを考えます。リファレンス曲のパクりになってはダメですし、ご依頼曲のコード進行にも合いません。

 

ご依頼曲のコード進行で、リファレンス曲のイメージも含んだフレーズを考えます。ボーカルの音域を邪魔しない事も重要です。

 

ある程度出来たものを仮で録音してみて、他のパートやボーカルとの混ざり具合いを確認してみたところ、概ね良い感じですがサビで時々ボーカルとリズム的に気持ち悪い箇所がありました。
なので本番の録音ではセクション毎に分けて、特にサビの部分で細かい符割りに注意しながら録音しました。

 

さて、ここまででご依頼頂いたパートは録音しました。しかしまだ終わりません。
あともう少しだけ続きます!

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「ギターレコーディングの実践その4」エレキギターにとりかかります!

こんにちは!
あなただけのサポートギタリスト前野直也です!
 
前回でアコースティックギターの録音が終わりましたので、今回はいよいよエレキギターの録音に入ります!

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以前ご紹介したように、僕の場合は全体を通して入ってるパートから先にレコーディングします。それで行くと次に録るのはエレキギターアルペジオですね!
 
という訳でアルペジオの録音を始めたのですが、ここでちょっと問題が。
 
このアルペジオ、リファレンス曲のイメージを決定づけている大事なパートなのです。その雰囲気を出しつつ、ご依頼頂いた曲のコード進行に沿ったアルペジオを考えたいのですが、これがなかなか難しい。
しかも歌ものなので、リズム的にも音的にもメロディとぶつからないようにしたい。
 
そこで当初の予定を変更して、他のパートを先に録音して、完成形のイメージが湧きやすい状態にしてから時間をかけてアルペジオを録ることにしました。
 
その2でご紹介した基本からは外れますが、時間をかけたいパートに時間をかけるために柔軟性も重要です。
 
という訳で、サビだけ入れる歪んだギターを先に録音します。フレーズ的にはシンプルなパワーコードですが、ここでのポイントは音作りでした。

あまり深く歪ませてしまうとイメージが違うのです。出来るだけナチュラルな歪みながらサスティンもある、でもブラッシングの感じもしっかり出したい。というイメージに向かって音を作り、試し録りをして音が決まってから録りました。
 
因みにエレキギターLine6のPODHD500Xで音を作ってラインで録音しています。
時間帯を気にせず録音でき、安定して良い音で録れるのでエレキの録音はほぼ全てこれでやっています。

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しっかり音が決まってから録音したおかげでこのパートはすんなり完成しました!
 
音色がちゃんと決まってるとプレイもしやすいです。
 
さて、次回は先送りしたアルペジオパートにとりかかります!
それではまた!

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「ギターレコーディングの実践その3」アコースティックギターにひと工夫します!

こんにちは!
あなただけのサポートギタリストの前野直也です!

 

前回で作戦を立ててDAWソフトの準備が出来ましたので、今回はいよいよ録り始めます!

 

今回はアコースティックギター
を録ります!

 

何故これから録るか、というお話は前回を参照して下さいね!

 

僕の場合は
アコースティックギターにピエゾピックアップがついているので、ラインでLRbagges のDIに、そこからオーディオインターフェースに繋いで録
ります。

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↑メインで使用しているアコースティックギターMARTIN HD-28Vです。

ここでアコースティックギターにひと工夫します!
それは…
同じフレーズを2パート録音する事です。

 

2パート録音して両方とも再生すると、同じパートでもほんの少しだけずれているんですね。そのずれがコーラスのような効果を生むんです。コーラスをかけるよりもピッチの揺れが少なくて気持ち良いと感じたのでアコースティックは2パート録音してます。

左右に振って定位させても歌を邪魔しないし爽やかな感じですよ☆彡

で、更にもうひと工夫。
パート1と2でピックを替えて弾いてます。

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パート1はhistoryの一番柔らかいピック(写真右)を使用しました。コードストロークした時にガチャガチャしすぎない音が出るので、エレキギターよりも薄くて柔らかい物にしました。
パート2は緑の変な形のピックを使用しました(写真左)。これのギザギザの部分(ちょっと見づらいですが写真で上側の方です)が弦に対して少し斜めに当たるように弾くと、12弦のようなシャリンとした音が出ます。アコースティックのストロークを2パート録る時は片方はこれで録るようにしてます。

 

これでアコースティックギターの録音が終わりました!
次回はエレキギターの録音をご紹介します!

 

それではまた次回!

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「ギターレコーディングの実践その2」作戦を立てて準備します!

こんにちは!
あなただけのサポートギタリスト前野直也です。
 
前回のリファレンス曲の分析を参考に、
録音の準備を進めます。

※リファレンス曲ってなに?という方は「ギターレコーディングの実践その1」
をご覧下さい。
 
僕の場合はまず録る前に大体どんなパートを何パートぐらい入れるかを決めて、比較的全編弾いているパートから入れ始めます。

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その方が一部だけダビングしたいパート等を録音する時に完成形に近い音を聴きながら録音できるからです。この方がパート毎の音作りもしやすいと思います。
 
中には例外もありますが、基本的には
 
全編通して入っているパート→一部だけ入るパート→リードやソロ→ハモりパート等
 
という流れで作業しています。
 
今回はリファレンス曲やご依頼者様のご希望も参考に、
 
アコースティックギターのコードストロークを全編通して入れる。
 
エレキギターアルペジオを入れる。
サビ、間奏はずっと入れる。Aメロは控えめに、Bメロからサビに向けて音数を増やしていく
 
・サビだけエレキギター(メタルにならない程度にしっかり歪んだ音)でコードを弾く。
 
という流れで作業する事にします!
 
DAWに新規プロジェクトを作り、お預かりしたトラックを取り込みます。
先ほどの作戦に従ってギター録音用のオーディオトラックを作成します。
 
次回はいよいよ全編通して入っているパート、つまりアコースティックギターから録音していきます!

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それではまた次回!

仕事内容や実際に僕が録音した音源をお聴きになりたい方はこちらもご覧ください!

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「ギターレコーディングの実践その1」まずはイメージを共有します!

こんにちは!
あなただけのサポートギタリスト前野直也です。
 
 
今回からは
僕がレコーディングのご依頼を頂いた場合どのように作業しているのかをご紹介しようと思います。
 
実際に先日お受けした仕事を例にとってご紹介していきます。

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僕が録音を承る際に大事にしている事は、イメージを共有する事です。
それは僕の役目はギターで楽曲の世界観を拡張する事だと思っているからです。
その為にはご依頼主様と楽曲の方向性、世界観のイメージを共有しておく事が大事なのです!
 
今回のご要望は「アコースティックとエレキと両方入れて欲しい」との事。
 
具体的に「こんなイメージのギターを入れて欲しい」と言う既存曲があるとの事でしたのでその曲も教えてもらいました。
 
このように、イメージを共有する為の参考曲を「リファレンス曲」と言います。
 
リファレンス曲がある場合はそれを参考にギターアレンジを考えます。
 
しかし、リファレンス曲と実際に作業する曲は当然メロディーもコードも違うので、リファレンス曲のエッセンスをどのように取り入れていくかがセンスが問われる部分です!
 
今回のリファレンス曲を分析してみたところ
 
1.コードストロークしているアコースティックギター
 
2.アルペジオを弾くエレキギター(ほんの少しだけ歪んだ音)
 
3.サビだけパワーコードをジャカジャカ弾くエレキギター(歪んだ音)
 
の三種類が入っていました。
 
その編成は尊重しつつ作戦を練っていきます!
 
次回は作戦をご説明しつつ録り始めます!
 
※今回のご依頼者様は何度もお仕事させて頂いているので、お互いのスタイルも分かっているし細かい所は任せて下さる事がほとんどです。皆さんと初めてお仕事させて頂く時はお互いのイメージを共有出来るまで打ち合わせしますので遠慮なくお話し下さいね!
 
それではまた次回!